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2010年5月21日 (金)

シナノキ谷から広高山・冠山(番外編)

 冠山から降りてきたきた四人は、車に乗り込み小川林道を下ってみると、朝は解錠されていた柵にはがっちりと鍵が…。

 ここで鍵をなくしていれば大事件になるが、いくら還暦世代のおじさんたちでも、(その後のことはさておき、)そんなヘマはしないのである。「エピソードⅠ 恐羅漢山のタタリ」http://homepage2.nifty.com/yamayama-yamaguchi/yabuyama_072.htm の時に危うく車のキーを落とすところだったので、それ以来、鍵類は厳重に保管するようにしているのだ。

「やっぱり鍵をかけておられますね」

「支所の当直の人はくれぐれも施錠には気をつけるように言っていたからなぁ。ワシらのが残っているのが分かっていようから後ろ髪をひかれなかったのかなぁ」

再び吉和支所に戻って鍵を返す。朝と同じ人が「はいお疲れさま」と受け取ってくれた。

「買い出しは、匹見だと遠いし、食材があるかどうか分からないから、六日市にしましょう。そこから七日市経由で上高尻を越えて行きましょう」

 六日市のスーパーは結構大きくて、食材も豊富だった。いろいろ迷ったが、T隊長が、

「今宵はキムチ鍋でどう?」

と提案して全員同賛成。豚肉やら野菜やつまみを買い込み、酒コーナーへ。缶ビールを数ケースと焼酎一箱。これを見ていたT隊長が黙ってロング缶一ケースをかごに入れた。

「まあこれだけあれば何とかなるだろう」

「これだけのものを誰が飲むんですか…」

「オレたちにきまっているだろう!」

とほざいていると、Y氏が炊き込みご飯の素と味噌汁の素を抱えてきた。

「米を三合持ってきたので、これで朝飯も大丈夫です」

「ありがたや…ありがたや…助かります」…一同礼。

 完璧な買い出しを終えた四人は、一路、七日市を経由し上高尻へ向かう。ゴギの郷手前で、

「ここが、例のワラビ谷… http://homepage2.nifty.com/yamayama-yamaguchi/yabuyama_052.htm あのときもきつかった!」

「いろいろホームページを見ますが、ここを下った人はいても、登ったという記録を見たことがありません!」

「ホントにバカだね…よくやったよ」

と言いながらゴギの郷を通過する。

「土曜日だというのに人っ子一人いませんねぇ」

「みんなトンネルルート中心かな」

峠のお地蔵さんに挨拶をして、トンネルを抜けていよいよ待望の三葛へ。

「夢ファクトリーみささ」に着くと、車も人気もなかったが、鍵はあいていた。

管理人さんから予め、

「事前に開けておきますから、勝手に入ってもらって結構です。六時頃には覗きますから」と聞いていたので、

「よしよし、これで大丈夫だ」

「とりえず荷物を運びましょう」

Sinanoki03

…と、ここまでは順風満帆だったのだが、ボクが二つめの段ボールを抱えたとたん、

「あれ?…ぶち軽いけど、隊長そっちの箱には何が入ってます?」

「ん?…野菜とか肉だよ…」

「えっ!…酒は????」

「なに~ぃ!!! 積まなかった??? ホントにないの???」

 四人がへたり込む。六日市から三葛まで、山を越えて40分もかけてやってきた挙げ句である。しかも、大量(T隊長の追加分も含めて)に買い込んでいるので、捨てるには惜しいし、だいいち、おじさん四人が、一滴の酒もなしで、どうやって夜を明かすことができるというのだ!

「匹見温泉まで13キロだから15分。六日市まで40分弱…どうする?」

「レシートを見ると、え~…総額1万1千円のうち、酒代が半分以上…いや三分の二です」

「う~ん…40分。往復1時間ちょっとか…」

「よし!鍋の支度をしているから取りに行くか?」

「行かねばなりますまい…」

「でもレジを通しているから、だれか持って帰っているかも?」

四人があわてて携帯を取り出す。もちろんどの携帯も圏外マークばかり。

「この中に電話が?…」

玄関に駆け込むと…ありました!懐かしのピンク電話!

「レシートに電話番号があるのでかけてみます。もしもし○○スーパーさんですか? さっき、ビールやら焼酎やらを多めに(大量に)買い込んだものですが、レジを出たところに忘れていませんか?」

「確認しますので少々お待ちください………はい、たくさんのお酒と割り箸も入ってますが…?」

「あっ!それです、それ!今から、三葛!から取りに行くのでよろしくお願いします。何時まであいてますか?」

「午後9時まで大丈夫ですよ。ごゆっくり気をつけてくださいね…お待ちしております」

「なんか笑っていたような気がしたけど…」

ということでIさんと私は、二人の鍋奉行を残して再び六日市を目指すことになりました。車中で、

「これが食材を忘れて、酒だけだったらどうしたですかねぇ?」

「間違いなく取りには戻らないでしょうな」

「このメンバーだったら、酒のんで寝ればいいさ!で一件落着でしょうね」

「それにしても、恐羅漢山のタタリの時と同じで、匹見では携帯は全く役立たず、固定電話さまさま…ですなぁ」

 40分かけてスーパーへ到着。午後6時過ぎの店内には買い物客も少なく、ボクがレジの所に行くと、おばさんが笑いながら棚の上に置き去りにされた酒を持ってきてくれた。

 再び40分かけて三葛へ。あたりは薄暗くなっていたが、調理室には煌々と明かりがともっていた。

Sinanoki04

「ただいまいま帰還しました。これにてミッション終了です!」

「お疲れ様でした!鍋の支度も出来ているから、さっそく乾杯だ!!!」

「さすがに、缶ビールを冷えたやつに換えてくれ…とは言えませんでした」

「いいのよ、いいのよ…酒でさえあれば、ぬるかろうが熱かろうが冷たかろうが、どうでもいいのよ!」

ということで、ようやく宴会の部に突入できたのでありました。

Sinanoki13

 一息ついて校内を観察すると、この調理室兼食堂はどうやら職員室だったようで、職員心得や教育方針、日課表などが掲示してあった。壁には去年のポスターが掛かっていた。

Sinanoki06

 校舎の造りはむかしのままで、一般教室は宿泊室に改造してある。黒板はそのまま残っているが、畳が敷かれ、寝具もコタツも用意してあった。

 四人とも順調に酔いが回ってきた頃、何か物音がしてきた。

「あれ?何か音がしない?」

「なんの音かな?」

「太鼓の音じゃない?」

「体育館の方から聞こえてくるぞ」

 渡り廊下を抜けて、体育館の大扉を開けてみると、4人のおっちゃんたちが神楽の練習をしていた。

「見学させてもらってもいいですか?」というサインを送ると、うんと頷いたので座って見学する。

 舞いと鳴り物が各二人ずつで、どうやら新入りの舞い手の練習のようだった。足下には、缶ビールやワンカップがそっと置いてある。

Sinanoki12

20分ぐらいしたところで休憩になった。

「おじゃまします、神楽の練習ですか?」

「おおそうじゃ、6月のはじめに披露があるんじゃ」

「どこでされるんですか?」

「ここでじゃ。前は大神が岳…知っちょるかのう…あそこじゃんたんじゃが最近はここ」

「ええ、三坂八郎林道のお社の前でしょ?」

「おお、よう知っちょるのう…あんた方はどこから来たん?」

「山口からです」

「ほぉ~釣り?登山?」

「登山です。広高山から冠山に行ってきました」

「そうかぁ~、広高山かぁ…こまい頃は、ここから河津に抜けて長瀬峡までまで遠足にいったんもんじゃ」

「ここから長瀬峡まで?」

…広域地図を持ってきていなかったので、このとき、三葛から河津越への破線道をすっかり忘れていたのである。話の内容からして、以前、三葛から後谷山経由で再び三葛に戻った峠に間違いないとは思ったが、酒にやられた頭には思い浮かばなかった。…このことは、ヤブ山突撃隊の「西のよけ岩から後谷山」(河津越えから三葛への古道は残っているか)http://homepage2.nifty.com/yamayama-yamaguchi/yabuyama_099.htm に掲載しているので参考にされたい。

 我々が、この一帯の山に詳しいことが分かると、おっちゃんたちは、

「そうか~、遠路はるばる三葛まで来てくれようるんか~、まあ呑みいや~」と言いながら、器具庫にある冷蔵庫からビールや酒を持ち出してきて、宴会の第2部に突入することになったのでありました。

「よし、面をみせてやろう」と、木箱に入ったたくさんの面をみせてもらう。紙で固めたものばかりと想像していたが、木をくりぬいたものもあるそうだ。T隊長が、一番怖そうな般若の面をかぶって踊り始めた。

Sinanoki10

「衣装はこっちにあるぞ!」と、ステージに連れて行かれる。緞帳を開けると、たくさんの衣装箱があった。それを次々と開けながら、

「これが一昨年つくったヤツで、120万円した。重たいが、踊りだすとすぐに脱ぐことになるからどうにかなるんじゃ…」

…T隊長はこれも羽織って踊り出す。

Sinanoki08

 その後も宴会は続いた。体育館の壁にこの一帯の山や集落の絵があったので、ますます話が弾む。

「あんたら~、高井山を知っちょるか?」

「ええ、登りました。最後は大ヤブじゃったけど、山頂からの眺めは最高じゃったです。ただ、三葛側じゃなくて、立岩側からですけど。ええ山でした。とにかく匹見はいいです」

「そうか、そうか…よその人から「ええ所」と言われるとうれしいのう。まあどんどん呑みんさい…」

「いや~、そんなにはよう呑みませんが…」と言いながら、ドロドロの世界に入っていくのでありました。

「おおそうじゃ、あれが残っちょったろうが、あれを持ってこい」

「ああ分かった。あれじゃね」

と、今度は器具庫から段ボール箱を抱えて来た。

 開けてみると、この一帯の神楽を紹介した2010年の立派なポスターがたくさん入っていた。

「これを全部もって帰えりんさい」

「いえいえ、一つずつでええです」

…という按配で、夜の10時を廻った頃にようやくお開きになったのでありました。

「あんたらぁ~、6月にはまた来いや。ワシらが舞いよるけえ、絶対来いよ」

「はい、都合が付けば是非おじゃましま~す」

Sinanoki30

 再び食堂に戻って、残りの酒をやっつけようとしたが、ものの30分もしないうちに、

「さすがに酔いました…そろそろ寝ますか」

で、一番奥の教室…宿泊室に行く。ボクとY氏は布団を敷いたが、隊長とIさんは、念のために持参したシェラフに潜り込む。

「それでは…おやすみなさい」

で長い一日が終わったのでありました。

Sinanoki02

 翌朝、Yシェフによる混ぜご飯と味噌汁で腹ごしらえをして夢ファクトリーみささに別れを告げた。

…ここにはシャワー室もあるし、炊飯道具、食器類、電子レンジ等が完備され、塗り箸もあるので割り箸を持ち込む必要はありません。一泊1,600円と安心価格になっているので、どうぞご利用ください。(連絡先:斎藤さん:0856-56-0659)

「それじゃ~、また企画するので行きましょう」

「うん、歩けるうちに歩こうね」

「今度はHさんも是非ご一緒できるようにしましょう」

「それではみなさんお元気で!」

と散会したのでありました。

…ヤブ山突撃隊は、いよいよ還暦ステージに突入するので、以前のような勢いで突撃することはできないが、今回のリハビリ登山でなんとか体力はありそうだということが実証されたので、ぼちぼち頑張ろうと思う。

…ということで、とりあえず今回の突撃は完。(しばらく日記でつなぎます。)

 

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コメント

てっきり、番外編は1つ上の記事と思い、さては速攻で消されたのかとおもっていましたが、酔った頭でこれだけの長文がよく書けますね。

小生もボケが進んでいろいろな失敗をしたのですが、それすら思い出せない。

写真ですがあらかじめサイズを縮小されているのでしょうか?

http://cocolog.kaiketsu.nifty.com/faqs/17305/thread
でそれぞれどのオプションを指定しているかおしえてください


さっきまで、番外編の再編集とヤブ山突撃隊からのリンクに没頭しておりました。
設定は、適当にやっています。アップロード前の画面と、実際の画面がかなり違うので戸惑っていますが、だいたいのトラブルは解消しました。

まあ久し振りにネットの緊張を味わっています。

シナノキ谷から広高山の番外編の写真と記事を編集しなおしたので、もう一度見ていただけませんか?
文化財保護面ではなかなかの収穫ではないかな!と自負しております。

>シナノキ谷から広高山の番外編の写真と記事を編集しなおしたので、もう一度見ていただけませんか?

あまり変わっていないような

とりあえず、おじさんたちの画像はいいとして、突撃編のきれいな森の画像は

画像の配置    中央
ページ表示サイズ  本分の幅にあわせて表示
元画像   縮小しない
画像クリック   別ウィンドウで拡大画像をポップアップ

を指定するといいと思います。

特に2枚目の写真は、クリック可能になっていますが、くりっくすると縮小画像になっていますので他の写真とオプションが違っています。

それから、同じ写真を複数回アップロードした場合、画像に枝番がついていますが、
「マイフォト」の「ブログにアップロードした画像」には最新画像以外のものもそのまま残っていますので、容量節約のため最新の画像以外は削除したほうがいいとおもいます。

また、記事に収まらないほどのきれいな森の画像が集まった場合は「マイフォト」で「フォトアルバム」を作ると高解像度の画像が楽しめます

いずれも、ココログのサポートページのFAQに詳しく書いてあります。

 写真のサイズは、オリジナル〈4Mb〉を、プレインストール済みのソフトで、「webレベル」に圧縮してもういちどファイル名を変えて保存・その後アップしています。

 なお、デジカメは二代目で、今回の画像がデビューです。

 ご指摘の点はいろいろわかりますので、酔いがさめたときにいじってみます。大変ですね。

すみませぬ

余計なアドバイスをしたために多くの画像が消えてますなあ

 ゴギを探していたら、このブログに出会いました。 全く同じ場所で似たようなことを
している人がいるのが嬉しかったです。 毎年4~9日間夢ファクトリーみささでのんびり
過ごしています。 しかし!酒がないと大変 !!  よーく解ります。

▼竹野屋さん
 そうですか…貴殿も匹見周辺をガサゴソ歩いておられるのですか。
ファクトリーパークみささから酒の買い出しは、匹見峡の温泉が最短です。
なぜ、我々が六日市まで行ったかということは、このブログを読まれたらお分かりでしょう。
いつか、ヤブ漕ぎの最中に出会いそうですね。
合言葉は、「ヤブ」 「やま」 にしておきましょうか。

「ヤブ」 「やま」 、了解です。  食料の買い忘れはあっても、酒は忘れたことがありませんよ。  夏の後半の数日間は、毎年のんびり過ごしています。 山の話しを聞かせてもらいたいですね。 できれば呑みながら!

▼竹野屋さま
是非そうしたいものですね。
ヤブ山突撃隊は、最近、特攻隊長も補強しましたし、
指を噛まれた某隊員も復帰マジかです。
楽しみにしています。

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