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2010年8月 5日 (木)

キジの想い出

実家のすぐそばにヤブ山家先祖代々の墓がある。

先日、墓の草刈りに上がってみたら、すぐそばの茂みからキジがバタバタと飛び立っていった。

そういえば昔、職場の「やま新聞」に、キジのことを書いたことを思い出して、当時の新聞を引っ張り出してみた。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

《第29号:平成12年5月1日発行》

<編集後記>

4月の初めに田の荒起こしをしているとキジが出てきた。

母の言では、つがいが裏山に住みついて、田んぼに捨てたクズ米を食べに出てくるようだ。

今日はオスだけだったが実にきれいな羽をしていた。

山に帰るときはバタバタと音を立てるのかと思っていたが、いつの間にか姿が見えなくなった。

音を立てるのは巣を守るときの示威行為なのだろう。

満開の桜とキジを眺めながらの農作業は、山行とおなじくらいストレス解消になった。

《第30号:平成12年6月1日発行》

5月の最後の日曜日。実家で草を刈っていたとき、突然、足下からバタバタとキジが飛び立った。

全身褐色なので恐らくメスだ。

「あいつのヨメさんだな」と思いながら飛んでいく姿を眺めていた。

ふと足下を見ると、なんと卵が!ニワトリの卵よりずっと小さく、ウズラよりも少し大きい程度だ。6~7個はあるだろう。

よく見ると、そのうち2個は草刈機の刃に当たったのだろう、黄身が出ていた。

草刈機を止め、周囲に刈り草をそっと置いてその場を離れた。

飛び立ったメスは、草刈機の刃に当たる寸前まで必死で卵を守っていたのだろう。

僕はそれに気付かずに無益な殺生をしてしまったのだ。

庭でこのことを母に話していると、遠くで、「ケーン、ケーン」という泣き声がした。

「メスが泣いているのかな…」

「あれは確かオスの鳴き声だね」と母がつぶやいた。

「メスは大丈夫かな。残りの卵をヘビやカラスから守っておいて…」

「しばらくそっとしておこうね」

『もうなにもしないから戻ってきてくれ』と伝えたいが無理な話だ。

ボクをずいぶん恨んでいるだろうが、子供をつれて現れてくれることを願っている。

《第31号:平成12年7月3日発行》

<編集後記>

キジの話の続々編。

先日、実家に戻って田んぼを眺めていたら、休耕田につがいが出てきて餌をついばんでいた。

母に尋ねたら、あれから暫くしてメスが戻ってきたそうだ。

巣の周囲にカムフラージュの枯れ枝を置いてもじっとしていたらしい。

ただし、卵の数が少し減っているのが心配の種とのこと。

すっかり後見人になった母は、せっせとカラスや野良猫を追い払ったり、ずいぶん世話をしている様子だった。

卵が無事に孵化しますように!

《第34号:平成12年10月19日発行》

<編集後記>

今時のコンバインは自動制御装置が付いているので、稲株にあわせて方向を直してくれる。

長い直線になるとすることもないので、秋晴れの空や色づき始めた山をぼ~っと眺めていると、せせこましい生活から逃げ出したくなった。

母が、「キジの子供は見ないけれど若いキジはいるようだよ」と言う。

今年の卵はボクのせいでダメになってしまったが、例のキジの一家は去年の子供と一緒に棲みついたようだ。

彼らは生きていくために必死で頑張っているのだろうが、酒も呑まずにどうやってストレスを発散しているのか分からない。

キジになったら困るので、人間のままで頑張るしかないようだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

この間の出来事なのに、もう10年も前の話になってしまった。

平成12年といえば、奇しくもヤブ山突撃隊のホームページを開設した年なので、ひょっとしたらこのことを掲示板に書いているかもしれない。

最後の話は少し飛んでいるが、「キジも卵もあれからしばらくしていなくなった。孵化したのか食べられたのか分からない」と母が言っていた記憶がある。

※「キジになったら困るので、人間のままで頑張るしかない」は、「キジになったら酒が呑めなくなるので、人間のままで生きるしかない」という意味です。

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コメント

やぶ山さん  お久しぶりです
キジの お話、なんか いいですね。野良仕事をしながら・・・年老いたお母様との絡みが好きで うんうん そうよね~って いつも頷きながら 楽しく読ませてもらっていました。
農作業をしていると結構 いろんな事に出くわします。これがまた ええんですよね~。
我家の 庭の 茂った金木犀に ヒヨドリが巣をかけ 巣立っていくまで 見届けました。ツバメもだけど 巣立っていくまで ひやひやドキドキ 人間の手ではどうにもならず
自然界に色々なことを 教えられ 庭仕事 野良仕事 山仕事 どんなにきつかろうと 
「う~ん やっぱ ええわ~」と 休日は 一人 もくもく 作業の日々であります。
日々是好日。
   

ぴっけさん

うちの嫁は貴女のように百姓仕事は一切できません。
やる気は少しはあるかもしれませんが、使い物になりません。貴女のご主人が羨ましい限りです。

ボクと母とは少し前までは口喧嘩が絶えませんでしたが、次第に老いていく母と、自分の衰えがひしひしと感じるようになってきました。

まだまだきついことを言う母ですが、最近、
「まだボケちょらんかいね?」
と聞いてくるので、
「まじめにそう聞いてくれんかね?」
と返しています。

でも、もうそう遠くないうちにその日が来るのでしょう。

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