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2012年1月30日 (月)

竹炭物語

それはそれは…この日曜日のことでした。
ヤブ山おじさんはいつものように裏山に竹を切りに出かけました。
しかし、昨日も竹を切ったばかりなので、とうとう竹切りに飽きて、家の裏のササを刈ることにしました。

ところが、なんということでしょう!
1mも刈り込むと、数年前に伐採した枯竹の棚が現れたのです。
そこで少し離れたところで野焼きをすることにしました。


おじさんは、要領よく杉の落ち葉を焚きつけにして、少しずつ焼き始めました。
30分ぐらいたった頃でしょうか、職場から携帯に電話が入ったのです。
ところが、火のそばから離れようとして歩きはじめた時に、ヤブ山おじさんは足元のレーキに足を引っ掛けて、燃えさかる炎の方に倒れこんでしまったのです。

炎をよけるためにとっさに反転したのですが、それでも完全に避けきれないまま手をついてしまいました。
山仕事の危険性を知っているヤブ山おじさんは、いつも分厚い皮手袋をしているのですが、この時は携帯電話を操作するために右手の手袋を外していました。

ここで右手をついていたら最悪の結果になっていたかもしれません。
でも、ヤブ山おじさんは、とっさなのか、偶然なのか分かりませんが、手袋をはめた左手をついたのです。
ヤブ山おじさんは、一瞬助かったと思いましたが、すぐに「あちっ!!!!」と叫んで左手を引き抜きました。

よく見ると、手袋に覆われていた掌や指は何ともなかったのですが、袖口と手袋の間にわずかな隙間があったのです。
そこにまだ熱を持っていた竹炭が入ったのでしょう。
手首の内側に直径4㎝ぐらい表皮が円状に剥がれていました。

まだ痛みは襲ってきません。
表皮が焼けただけで、表層にまでは届いていないようです。
ヤブ山おじさんは、流水で冷やすために家に戻りました。

家で掃除をしていた鬼嫁は、一瞬驚いた表情を浮かべましたが、すぐに冷静になって念入りに消毒し、塗り薬をぬって、大きめのカット判を貼り、その上にさらに包帯を巻いてくれました。

「ばあさんや…お前が途中で生乾きの落ち葉さえ持ってこんじゃったら、あの竹はちゃんと焼けて灰になって、あんな熱い炭にならんですんだのにのう。普通は灰になるのが炭になっちょったんぞ」
「じいさんや…あんたが「入れてもええ」って言うから入れたんよ。あんたの言うとおりにしただけなんよ」
と優しく言い放ちました。
この言葉を聞いたヤブ山おじさんは、「やっぱりこいつは鬼嫁じゃ」と心の底で密に思いました。

一方、事件の関係者はヤブ山夫婦だけではありませんでした。
電話をかけてきた職場の主任には何が何だか分かりません。
なにせ、電話に出たヤブ山おじさんが、
「もしもし……おお○○か……うぉ!あっち!!!」
と叫んだきり、うんともスンとも言わなくなってしまったのです。

冷水をかけ始めてようやく我に返ったヤブ山おじさんは、電話中だったことを思い出して、
「すまんすまん…やけどをしたようじゃ」
「何があったんです?」
「ええからええから…用事はなんじゃ?」
「実は………」
かわいそうに、ヤブ山おじさんには仕事の問題も発生していたのです。


ヤブ山おじさんが野焼きの現場に戻ってみると、蹴飛ばされたレーキが離れたところに飛んでいました。
レーキの先が顔にでも当っていたら大変な惨事になっていたことでしょう。

そんなことを想像したヤブ山おじさんは、残りの竹を燃やしながら我が身に次々と降りかかってくる災難を嘆きました。
上空では一羽のトンビがクルリと輪を描いています。
どうやら、鬼嫁と同じように「バーカ!」と啼いているようです。

とうとう誰もいたわってくれないので最愛の友人にすがることにしました。
…こうしてヤブ山おじさんの日曜日の晩酌、いや夕酌はいつもより30分早く始まったのでありました。
めでたしめでたし。<完かな?>

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