2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

« 鬼嫁のヘロヘロ登山日記①(総集編:久住連峰) | トップページ | 出穂におもう »

2013年8月 7日 (水)

鬼嫁のヘロヘロ登山日記②(総集編:久住連峰)

〈法華院温泉~坊ヶツル~平治岳(大戸越)~ソババッケ~男池~白水鉱泉〉

これが、鬼嫁が『徘徊ババア』に変身した証拠写真である。

他人なら気にはしないが、いちおう妻なので…できるだけ見ないようにしたい。


H2584_021


法華院温泉山荘は雨にもかかわらず、20人の山岳会、7~8人の高校ワンゲル、7~8のグループがいた。


ここから再びお姫様が降臨した。

「もう動けないから荷物はお願いね」
「とりあえずビールも買ってきてね」
「部屋はどこ?」
…ボクは一言もしゃべっていない。


せっせと二人分の荷物を部屋に運んだ。

しかも一般個室をキャンセルして、特別室に振り替えてもらったのだが、鬼嫁はそれに感謝することもせず、空身でヨタヨタと部屋に入ってきた。

ボクは休む間もなく、泥と雨に濡れてぐちゃぐちゃになった靴・カッパ・ズボンを乾燥室に運びこんで、きちんと干した。

下の売店で買ってきたビールを渡しながら、
「500円の追加で特別室が取れたから…作りは一般個室と同じだけど、隅部屋で坊ヶツルの眺めがいいんだって」
鬼嫁は、缶ビールをそのままぐいぐい飲んでいたが、
「まあ~勿体ない!」

…さっきまで死にかけていたおばさんがいう言葉だろうか。
しかもボクは命の恩人のはずである。

「おまえねぇ…途中で置いてきてもよかったんだぞ」
「最後まで歩けたもん」
「おれがルートを間違えずに、しかもずっと励まし続けたからだ」
「ウィンダーゼリーは30分間は力が出るのね。よく分かったわ。多いと思ったけど6つ買っておいてよかった」
「バカタレ!オレが命の恩人だろうが…」

…ビールと焼酎で豪華な夕食をとり、8時に就寝。

ボクは、ヘロヘロ状態の鬼嫁を考えて、最短コースで長者原へ下りタクシーで黒嶽荘に戻ることを考えながら寝た。


…翌朝の会話。

「あなたのいびきで寝られなかったわ」
「知るか!そんなこと!」

「今日はどうするん?」
「(頭にきたから)予定どおり平治岳経由で男池に下る」
「ふ~ん。登りがあるの?」
「下るだけ…昼前には着く」
「岩があるかね?」
「知るか!」


外は小雨。
いくつかのパティーが出ていくが、平治岳方面に向かうのは我々だけのようだ。
ボクが乾かしたカッパを着て出発。

H2584_001


坊ヶツルから大船山、平治山への登山道に向かう地点に、『登山者カウンター 環境省』と記されたセンサーが設置してあった。
ほとんどの人は気付かないだろう。


ミヤマキリシマの時期は多くの人で賑わうようだ。
ぬかるんだ道だが幅は広く急登もなく、迷うような個所もなかった。
1時間で『大戸越』に着いた。
なるほど、山頂に向けて登りと下りのルートが分かれている。
これを大勢の人がぞろぞろ歩くのかと思いながら…山を眺めていた。

H2584_002

そこへ、
「ここで待っているから上がってきてもいいわよ」
という鬼嫁の一言。

…くれぐれも、これは鬼嫁の優しさではない。
『あなたも足が痛いんでしょ?上がれるものなら上がってみたら』
という痛烈な皮肉なのだ。

「おまえ、ひとりで帰るか?」
「法華院に戻れば親切な人がいるわよ」
「そうすれば!」
と、捨てゼリフをはいて『ソババッケ』へ向けて下り始めた。


付いてこなくてもいいのに、どうやら背後からヨタヨタとあとを追っているようだ。


1時間でソババッケ。
「昨日は…風穴からここに回ろうと考えたんだ」
「ふ~ん」

…鬼嫁には昨日歩いたコースや、ここがどの位置にあるのかまるで分かっていないのだ。

ボクだって初めて歩くところだが、事前に地図で現地を想像しながら、実際に着いてみると、

「なるほど…こういうところだったんだ」
と、一種の懐かしさを覚えるのだが、付いてくるだけの鬼嫁にはそういう喜びはない。
下を向いて休んでいるだけだ。


ここから『かくし水』まではゴーロ沢の下りだった。
鬼嫁は再び及び腰になって、ぶつぶつ言いながらソロソロと下った。

途中、2グループとすれ違った。
上の様子を聞かれると、鬼嫁は先輩気取りで、
「雨が降ったりやんだりですよ。お気をつけて頑張ってくださいね」
などとぬけぬけと話していた。

…なんとか昼前に『男池』駐車場に着いた。
ひとり100円の清掃協力金を払ってゲートを出る。

トイレ横のベンチに座り込むと、
「黒嶽荘までどのくらい?」
「3キロ強…40分。ここで待ってろ」
「じゃぁ…いってらっしゃい!」
「バカタレ!メシを食ってからじゃ!」

法華院温泉山荘の弁当は、白飯だがちょっとしたおかずが盛ってあった。
5分でかき込んで、ウエストポーチと水筒を持って歩き始めた。
100mほど進んだところで引き返した。

「まあ…もう帰ってきたの?」
「バカタレ!GPSの一筆書きを完成するんじゃ!」

黒嶽荘の軽トラが通りかからないかと期待したが、観光の福岡ナンバーの車ばかりだった。
35分かかって黒嶽荘に戻った。


放し飼いにされた柴犬がしっぽを振って迎えてくれた。
顔を出した宿の主人にあいさつをしながら、炭酸水をわけてもらった。

「長者原や牧の戸からはハイキング。ここからの黒岳は登山です」
「まったくそのとおりでした。女房はヘロヘロになりました」
「雨堤経由で風穴まで行くルートもいいですよ」
「エスケープで帰ることも考えたのですが、また今度来ます」

…柴犬が門の外まで見送ってくれた。
聞き忘れたが、たぶん名前は『クロ』だろう。


それにひきかえ、車で鬼嫁を迎えに行ったら、ベンチでふんぞり返っていた。


車中の会話。

「さっき黒嶽荘で、あのヘロヘロになったにいちゃんの登山届を見たら、前日に黒岳~大船山~坊ヶツル泊。翌日、同じコースで下山と書いていた。あの雰囲気だと、帰りは大船山から下った風穴から『ソババッケ』にエスケープして『男池』に降りたんだろう。ボクがさっき歩いた道で宿の軽トラに拾われたんだろうな」

「ふ~ん」

「もう山は懲りただろう…尾瀬や熊野古道ぐらいしか歩けないんじゃないか?」

「あなたのコース設定が悪すぎたのよ。あなたの歩く時間で考えたんでしょ」

…ボクは天候判断も含めていろいろ反省しているのだが、こいつは少しも反省していないと思う。
すべてボクのせいにして、次のお姫様登山に注文をつける気でいる。

GPSのトラック図が広すぎて、全部を一度にアップできなかったようだ。
広域ですが、このくらい歩きました。


H2584


« 鬼嫁のヘロヘロ登山日記①(総集編:久住連峰) | トップページ | 出穂におもう »

登山・山歩き」カテゴリの記事

コメント

岡目八目ではないが苦渋登山の様子が手に取るように先読み出来ました。

tobinoko家も夫婦で法華院温泉山荘泊りで歩いたけど二日とも雨と霧で何も見えなかった。
山仲間を誘ってリベンジを果たした時はこんな眺めだったんだと西中国山地とはまるで異なる久住を満喫できました。

2回とも特別室に泊まれたけど、違いはカギが付いている事とストーブがあることだけらしい、坊ヶツルや大船山の眺めは良かったですね。

いろんなルートが選べるので何度でも行って見たい山ですね。


tobinokoさん
それだけに牧の戸の賑わいが悔しいとうか…残念な気がしてなりません。
とうとうワンゲルまで牧の戸から上がっていたので、車を停めて、怒鳴ってやろうかと思いました。
久住は、東西というか南北で違った自然があるので、何度も行きたいのですが、混雑するので辟易です。
九州はどうしてこんなに混むのですかね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/545713/57940371

この記事へのトラックバック一覧です: 鬼嫁のヘロヘロ登山日記②(総集編:久住連峰):

« 鬼嫁のヘロヘロ登山日記①(総集編:久住連峰) | トップページ | 出穂におもう »