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2013年8月 6日 (火)

鬼嫁のヘロヘロ登山日記①(総集編:久住連峰)

〈白水鉱泉(黒岳荘)~前岳~高塚山~風穴~北大船山~坊ヶツル~法華院温泉泊〉

このところ仕事と農作業でまとまった休みが取れなかったが、8月初めの土曜から月曜日にかけて久住山の東の連峰を歩くことにした。

鬼嫁が、
「一度でいいから法華院温泉に泊まってみたい」
と言っていたので、黒岳の麓の黒嶽荘に前泊して、翌日に黒岳から大船山を縦走して法華院温泉に泊まり、翌日は平治岳経由で男池まで下る周回コースとした。


黒嶽荘は、白水鉱泉の数百m奥と書いてあったが、ホントにこの先に旅館があるの?というような奥まったところにあった。

H2584_001

土曜の夜にも関わらず宿泊客はボクたち以外に一人しかいなかったが、夕方になって、軽トラの荷台に乗せられた単独行のにいちゃんが増えて、計4人であった。

地鳥の炭火焼にアユの背越しと姿焼、山の幸満載の立派な夕食だった。
鬼嫁は、
「軽トラの荷台に乗っていた『おにいちゃん』はヘロヘロだったわ。ここにたどり着く途中で拾われたらしいわ」
と他人事のように笑っていた。
…しかし、鬼嫁はその後同じような境遇に陥るのである。


夢の大吊橋を散策し、夜は温泉と晩酌付きの夕食に満足した鬼嫁はテレビを見てケラケラ笑っていたが、その横でボクは、天気予報を何度も確認し、地図を広げて全体のルートとエスケープポイントを頭に叩き込んでいた。


さて、翌朝は天気予報どおり…くもり時々雨だった。
強い雨雲はないし、今後の6時間予想を見ても大したことはなさそうだが、九州地方全域に雷注意報が出ている。


「まあ…行くだけ行ってみるか」
と、宿の横の登山口を登り始めた。


H2584_003

シャクナゲと広葉樹の素晴らしい森が広がっていた。
しかし、登山路は次第に急峻となり、時おり雨もぱらついてきた。
カッパを着込んで黙々と歩き、前山に着いたのは2時間後の午前9時半だった。


前山の手前で、由布岳が見えた。

H2584_006

ここから高塚山までいったん下ってぐっと登り返す。
予定どおりここも2時間で着いたが、かなり体力を消耗した。

H2584_007

H2584_014

ここで宿のむすび弁当をほうばる。
大きなむすびが3つ入っていたが、鬼嫁は少し口にしたがすぐにリュックにしまい込んだ。
「おい!無理してでも食べておけよ」
「欲しくないから…いいの」
…ここまではお姫様登山であった。


さて、この時点で12時。予定より1時間遅れだ。
法華院が4時の予定だが、5時過ぎなら問題ないだろうとタカをくくって、風穴を目指して下りにかかった。


ところがこの下りが大変だった。
この辺りで鬼嫁の異変に気がついた。
もともと岩場やガレ場の下りが苦手なのだが、今日は岩が雨に濡れているので、ますます腰が引けてペースがガクンと落ちてきた。

ときどき視界が開けると、目の前に大船山が聳えている。
「あの山を越えないと法華院は見えないぞ」
「え~っ!あの向こうなの?」


鬼嫁が降りてくるのを何度も何度も待つようになり、1時間で風穴まで下るはずが1時間半もかかった。
実は、この風穴がエスケープポイントだった。

H2584_016

ここからは、①鞍部沿いに黒嶽荘に戻るか、②反対に平治岳方面に回って大戸越から坊ヶツルに抜けるかor③男池に向かうか…3ルートある。
どのルートも標高差があまりないので2時間あれば十分だろう。


いま午後2時である。
予定では、大船山まで2時間、そこから坊ヶツルまで1時間だが、今のペースだとあと4時間はかかるから法華院に着くのは6時頃になる。


すっかり疲れ果てた鬼嫁を眺めながら思案した。
計画ではここで1時間休憩を入れているので、実際には計画より1時間遅れにすぎない。
鬼嫁は登りには強い。

「じゃぁ…行こうか」

少し雨堤方面に下がって大船山の急登にとりついた。
遠くで雷が聞こえる。雨は弱いが断続的に降ってくる。

H2584_018

あれほど登りに強かった鬼嫁が、30分登ったころ、
「わたし…最後まで行けないかもしれない」
と初めて弱音を吐いた。
肩で息をしている。
目力がなくなっている。


「むすびをいくつ食べた?」
「ひとつ」
…ウソに決まっている。たぶん二口か三口しか口にしていないはずだ。

「たぶんシャリバテだ。嫌いだろうがこれをすすれ。残りはポケットに入れておけ」
と、ウィンダーゼリーを3つ渡した。
「あんなものは大キライ」
と常々言っていたが、さすがに今回は黙って口にした。

「行けるか?」
「わからない…」

ここは久住の縦走路だが、今朝から誰ひとり会っていない。
精神的にも体力的にもかなり追いつめられてきた。
縦走路は相変わらず岩場とガレ場が続いているので、ホントに疲れる。

いつもは声をかけたりはしないが、
「もうちょっとで頂上だ。あと200m」
「垂直で?」
「うん」
「……」

何度も何度も小休止を取りながら、なんとか大船山の米窪の縁にたどり着いた。
鬼嫁は疲労困憊の寸前のようだ。
米窪の中を覗き込んでもすぐに他に目をむけた。


H2584_019


「さあ…あと1時間だ」
…ところが、このお鉢めぐりのコースはミヤマキリシマが生い茂り、すり抜けるのに苦労した。
何度も灌木の中で鬼嫁を待った。
ここでかなり時間をロスした。


ようやく段原らしき道標が見えてきた。
雨は霧雨だが、風が少し強くなった。
雷が遠いのが救いだ。
灌木をかき分けて広場に飛び出した。


「あれ?避難小屋がない」
地図を広げて確認したが、段原に間違いはない。
場合によってはここで夜を明かそうと考えていた地点である。

まだ日は沈んでいないが、薄暗くなっている。
ガスが晴れて久住の全貌が見えてきた。
「おい!あれが法華院温泉だ!」
「え~っ!! あそこ!」


H2584_020


「見えたから大丈夫!あとはこれを下るだけ」
「……」


この時点で午後5時である。
鬼嫁のペースを考えれば到着は午後6時半か…二人分のヘッドランプはあるから最悪でも辿りつけるだろう…と考えた。
鬼嫁の足と体力が持つかどうかが問題である。

しかし、相変わらず岩場が連続し、木の根や灌木を掴みながらの苦しい下りとなった。
危険な所では何度も下から声をかけた。
普通はこんなことはしないが、ボクも必死だった。

しかし、いくら下っても坊ヶツルは逃げていく。
方向が間違っているのかとさえ思ったくらいだ。


急に目の前が明るくなった。
草原が広がっている。
急に力が抜けた。
山に向かって、「着いたぞ!」
と大声で叫ぶと、ヨタヨタと鬼嫁が下ってきた。
返事をする元気もないようだ。


ちょうどおっさんが避難小屋の外で夕涼みをしていた。
「すごい有様ですが…どちらから?」
「黒岳から…誰にも出会いませんでした」
「雨でみんな沈殿でした」
「どおりで…」

坊ヶツルには二張りのテントしかなかった。
鬼嫁に、「先に行って手続きをするから、ゆっくり歩いてこい」
と伝えて急ぎ足で山荘に向かった。


手続きを済ませてテラスから坊ヶツルを見下ろすと、ひとりの老婆がヨタヨタと登ってくるのが見えた。

※写真がアップできなくなったのでやめた。続きは明日。

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GPSはうまくいかないし、途中から写真もアップできなくなった。
頭に来たので…やめた!

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