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2015年5月 7日 (木)

鬼嫁のヘロヘロ登山日記(東西赤石山を一筆書き:愛媛県新居浜市)

鬼嫁の車のガラスを粉砕した翌日、一旦休戦して柳井からフェリーで三津浜港へ渡った。

長女が四国にいるときによく使ったフェリーである。
高速道路の休日千円が廃止されて少しは客足が戻ってきたようだ。

天気も良かったので道中の半分はデッキに出て景色を眺めた。
やっぱり周防大島は大きい。
そして浮島はやっぱりのどかであった。
さらに情島は激しい潮の流れの中に浮かんでいた。


鬼嫁のリクエストで砥部焼の記念館に向かったのだが、その手前にある動物園の大渋滞に巻き込まれてげんなりした。


さて翌日は6時前に起きて別子銅山めぐりを兼ねた西赤石山の日浦登山口に向かった。
7時前だというのに駐車場はボクの車が最後の一台だった。
筏津の山荘がなくなったので、テント泊や車中泊が増えたのだろう。


今回は四国の有名な山の最後となる『西赤石山』登山が目的であった。

銅山めぐりの散策はゆったりとして歴史や文化の流れを十分に満喫できた。
あちこち寄り道をしながら銅山越えまで2時間を要したが、その気で登ればガイドブックのように1時間ちょっとで上がれるだろう。

ここから西赤石山までは1時間ちょっとの楽々コースであった。
あけぼのつつじの咲き初めらしく先客がしきりに写真を撮っていた。

さてまだ10時過ぎである。

早めの昼食をとっていると、隣の老夫婦が、
「どちらまで?東赤石ですか?」
と尋ねてきた。

適当に受け答えしていたが、鬼嫁に、
「東赤石に行ってみようか?」
「まかせるわ」
と言うので、いざ出発である。


物住頭山までは楽勝。
その先の前赤石山のトラバースは岩稜帯なので少し気を遣うようになった。

西赤石山へ向かう単行の中年男とすれ違った。
彼が、
「東ですか?筏津への下り?ボクと反対だから車のカギを交換して、早い方が車を回しておきます?」
と冗談半分に提案してきた。

さすがに見知らぬ同士なので遠慮したが、感じの良い中年男だった。

そこから廻り越して赤石山荘へ着いた。

その時点で帰りのフェリーに間に合わないことに気がついた。

鬼嫁は、目の前に立ちはだかる東赤石山を見上げながら、
「ここで待っているから登ってきてもいいわよ」
と、のんきにほざいている。


ホントの山頂はもう少し向こうである。
子供たちと登ったことがあるのだが、鬼嫁は赤石山荘に立ち寄ったことさえ忘れていた。
そして、ついでにここの下りの辛さも忘れてしまっていたのである。

「ここまで縦走してきたから東西の赤石山は制覇したことにしよう」
ということで筏津を目指して下山開始した。

ボクはフェリーに間に合わせようとガンガン下りたいのだが、鬼嫁はごーろ石の多い下りが苦手で、しかも丸太橋を極度に怖がる『お姫様』である。


ボクはイライラしながら何度も立ち止まって待つのであるが、鬼嫁の膝が悲鳴を上げ始めた。
「どうしてこっちまで縦走したの!こんなに長い下りがあるとは言わなかったじゃないの!」
と文句を言い始めたが、そのうち言葉も出なくなった。


東赤石山はホントにきついコースである。
ボクの足も弱音を吐いた。

そろそろ元気な山旅も終焉を迎えそうだ。

…筏津に降り立ったのは3時過ぎ。

車道歩きは1時間と踏んでいるので、もうフェリーには間に合わない。
幸いにも携帯が通じたので一本遅らすように頼んだら、最後の一台に滑り込めた。


さあ…ここから最後の車道歩きである。

東西の赤石山の縦走時は筏津と日浦に車を用意しておくのが普通だし、一人のときは、先にキツイ東赤石山に登って西赤石山へ回り、下りになる車道を歩いて戻るのが通常パターンであるが、今回は真逆である。


鬼嫁の歩みが、トボトボからヨタヨタとなり、ついにはヘロヘロになってきた。

どう見ても老婆のような歩き方である。

何度待ってやってもすぐに遅れだす。

ようやく日浦に近づいた頃、山中ですれ違った単行者と出会った。

「お互い…キーを交換しておけばよかったですな」
「後ろにヘロヘロになったヤツがおりますから」
と話を交わした。

あとで鬼嫁に聞いたところでは、
「よく頑張りましたね。あと10分ほどですよ」
と優しくいたわりのある言葉をかけてもらったそうだ。

「山男は優しいのよ」
「ふ~ん、よっぱど哀れに見えたんだろう」


先に駐車場について時計を見ると4時半過ぎ。
出発が6時40分だったから約10時間頑張ったことになる。

さっさと着替えて一目散に三津浜をめざし、無事夜中の10時過ぎに自宅に戻った。

余談である。

車中、鬼嫁が、

「わたし…膝がもうダメみたいだから…グルコサミンでも飲もうかしら…」

「ヒアルロン酸じゃないの?」

「あれは年寄り向き!」

「………」

…山男は優しいのだ。


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