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2016年5月16日 (月)

十方山(広島県:大谷川から論所へ:ヤブ山突撃隊)

ボクの退職を記念しての突撃である。

最近はずっとY代表とぼっちさんと一緒なので、(二人には不本意?であろうが)、ヤブ山突撃隊は5人で構成されている。

今回、Y代表が計画してくれたのは、「十方山を大谷川から這い上がろう」という還暦を過ぎた爺さんにはやや無謀に近い突撃であった。
おまけに右足首のねん挫が完治していないので、みんなが「大丈夫?」と心配?してくれた。

そこで、全身の筋肉を?バイオギアで締め付けて、右足首にサポーター、そして腰椎ベルトも装着することにした。
まるでサイボーグである。


地理院の電子地図を何度も見ながら、『西中国山地』や『西中国山地の沢』、山歩きさんのHPを参考にしながら稜線の登山道まで這い上がるルートを頭に叩き込む。

さて当日。ぼっちさんを拾って吉和を目指した。
ほどなくT隊長とIクマ対策特殊部隊長が現れ、Y代表も合流した。


瀬戸滝登山口を過ぎて、「そろそろ大谷川だけど…」とY代表が周囲を見ていると、路肩で沢登りのグループが準備していた。

「ここが大谷川ですか?」
「そうです」
…ということで準備開始。


沢グループは男女2人ずつの4人パーティーで、どうやら女性二人を男二人がアシストする様子であった。

グループが先に沢に入って行ったが、ボクたちは、
「わしらは こういうスタイルだからね」
と巻き道にとりかかった。


大谷川(おおたにごう)の沢は大きく、きれいであった。

踏み跡は所々消えているので、何度も沢に降りたり高巻き道を探しながら遡及した。

イシノ小屋跡の初めの分岐まで1時間。
明確な分岐(谷の出合)であり、出合地点にちょっとした平坦地はあるが、西中国山地に記されているイシノ小屋の痕跡はなかった。

H28515_004
 
 

それにしても素晴らしい渓流である。
やがて『くぐり岩』が見えてきた。

H28515_006


沢の真ん中に鎮座しているので、くぐって抜けた。
このところ雨が多いので水量も豊富だ。
濡れた岩が多く、我々の登山靴では滑りやすかった。
でも雰囲気がいい。
T隊長とIクマ対策特殊部隊長の後ろ姿がカッコ良かった。


H28515_009


途中、こんな可愛いケルンもあった。


H28515_012


ボクたちが休んでいると沢グループが特に声もかけずに追い越していった。
彼らは休憩を取らないのだろうか。
ボクたちは何度も休憩を取りながら、周囲の景色を見渡しては、
「ええのう…やっぱり西中国山地じゃのう」
と自然を満喫するのでありました。


H28515_014


 
 


やがて滝が見えてきた。
本流には小滝があり、左の懸崖の上から迫力のある滝がしぶきをあげていた。


H28515_025

暫く眺めた後、本流を滝を超えようとしたら、ホールドがなく滑りやすい岩だった。
高巻きルートを探してみたが、どうやら困難である。

ぼっちさんが、「出しますか!」とザックからロープやシリング、カラビナ一式を取りだした。
彼とY代表は沢登りもするので、沢コースの時はいつも準備してくれている。
ヘルメットを装着したぼっちさんに、「頑張ってね」とボクたちは高みの見物。
空身でスイスイと登って、安全確保の後、ロープを降ろしてくれた。


H28515_029

3人は、
「ぼっちさん!ありがとうございました!」
「Y代表!ありがとうございました!」
と頭を垂れて乗り越えることができたのでありました。


写真で見ると高度感がないが、見るからに危険な岩であった。
上からの写真はつぎのとおり。


H28515_031


 

ゴルジュっぽい所が多いので、高巻きできずに沢を歩くようになった。
やがて次の滝が現れた。


H28515_034


 


 
これも手強かったが、写真の右側の溝をロープなしで這い上がることができた。

このあたりで、「もう引き返せないね。今日の沢の状況だと下りは危険すぎる」と話し合った。
次の分岐に着いた。
「ここが最後の左谷だろうね」

「西中国山地に書いてあった…『三本の杉』が見当たらないなぁ…」
「だいぶ様子が変ったのかなぁ…」
と会話を交わす。


H28515_037


 
 
休んでいると沢グループが再び追いついてきた。
少し声をかけたが、そのまま休まずに上がって行った。

「ホントに休まないね。まるで剣岳の『点の記』みたいだね。どっちが国土地理院かな?」
「装備は違うけど、まぁ~事故もなく早く上がった方だろうね…」
…などとほざいたのでありました。


この分岐から先には滝はないと思っていたが、しばらく上がってみると数メートルの「滑滝」があった。
沢グループはロープを出して確保の準備をしていた。
我々は巻き道のめぼしがついたので、さっさと高巻きで超えた。


H28515_040


 
 
ここから源流域になったが、まだまだ勾配がある。
H28515_043


いよいよ笹ヤブである。


H28515_044


 

10歩歩いては立ったまま休む。
何度も何度もこれを繰り返した。
途中で現在地を確認してみるとかなり西寄りになっていた。
鞍部の『論所』を予定していたのだが、三角点の方にかなり寄っている。

でもササ藪の中で急に方向は変えられないし、すぐ上には稜線が見える。

ところが、地図どおり稜線上はなだらかでいくらもがいても縦走路に飛び出さない。
とうとうボクは気力体力が落ちてきた。
4人が漕いでいる笹の動きを必死で追っていると、
「お~い!着いたぞ!」
という声が聞こえた。

泥と煤に汚れた5人が縦走路にへたり込んでいると、20人以上のグループが山頂方面から下って来た。
「こっちは内黒峠ですよね?」
と聞かれたので、
「はい、そうですが」

「那須からですか?」
「いえ…こっちからです」
と目の前のササ藪を指差した。


H28515_046

 
 
 
山頂方向に歩き出すと、すぐに三角点の広場に出た。
ガスと風が冷たかった。


H28515_047


 
 


 
あわててヤッケを着こんでそのまま瀬戸滝への登山道を下る。
ボクの足は悲鳴を上げていたが、どうやら他の4人もこたえているようだ。

「もうダメ!膝が笑う…」
「沢グループはちゃんと上がれたかのう?」

「おっさん二人はどうでもいいけど、女性軍、特に若い方のお姉ちゃんは最後のヤブは辛かったろうに…無事に上がったかのう?」
「ここで待ってみる?」

「この登山道の下りで追い越されたら…笑い者だぞ!」
と弱音ははきながらも、余計な?プライドを保ちながら瀬戸滝登山口に降り立った。


久しぶりの突撃はホントに堪えた。
なんとか右足首は持ちこたえてくれたが、気力・体力・筋力は確実に低下していた。

もう少し鍛え直さないとみんなに後れを取ってしまいそうだ。

6月から再就職なので、心を入れ替えて精進します。


参考までにトラック図をどうぞ。
登り5時間。下り2時間程度でした。


H28515


 
 


 
いい所です。
最後のヤブ漕ぎはいつものとおりですが、それまでの渓谷は素晴らしいですよ。

おしまい!


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コメント

さすが。やぶやま突撃隊。 とても真似はできません。 千葉の山は低いですが、それなりに沢も藪も負けじとあり、 とても突撃出来ません。 しかも、 このごろになると、もう暖かいのでヒルちゃんというオマケが多くて。  冬場は少ないとはいえ漁師さんがいますので ゴソゴソしていると危ないです。 

▼strangerどの
ホントに疲れました。
ムカデにも…。


 なんて深い自然なのでしょう・・・。

 横たわる巨木もまたいいですね~

 生きている森の声が聞こえてくるようです。

 それにしても登り五時間は凄いですね ヤブ山突撃隊は健在!まだまだいけそうですね。

▼びっけさん
いいでしょう…西中国山地は。
今度、びっけさんが歩けそうなルートの時にはお誘いしますよ。
でもちょっぴり覚悟を決めて、気合を入れて下さい。
それにしても…いいでしょう。羨ましいでしょう.

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