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2017年1月11日 (水)

ヤブ山ヒストリー

年末に突然、40過ぎの中年男が我が家を訪ねてきたらしい。

ちょうどボクは仕事に出ていたので鬼嫁が対応した。
鬼嫁によれば、
「今は○○県に住んでおりますが、祖母が生前、父の墓をきちんとできずに、お参りもできないことをしきりに悔やんでいたので…市役所で色々調べて…ようやくここまでやってきました」
と口上を述べていたそうだ。

「私には分かりませんので、主人が午後には戻ると思いますので…」
と伝えたそうだ。

そのことを聞いたボクが待っていると、その男が再び我が家にやってきた。


我が家の家系は、曾祖父の代に複雑になっていて、ボク自身墓参りの人たちが誰なのかよく分からないので、母に家系図を書いてもらっている。


それを持ち出して、彼と話をした。
色々と話をしているうちに、曾祖父代の「○○」ではないかということが判明した。


彼とボクがかすかに覚えている『○○ちゃん』の共通事項もあった。


しかし、彼が探していた墓には墓標はない。
ボクが若い頃に木標が朽ち果ててしまっている。
ボクが学生時代に、「墓地に建立することができないので、傍でもいいから建てさせてほしい」
という記憶で亡父が承諾して、その後、母が世話をしてきた無縁仏のような墓であった。


お参りする人がいないので、木標が朽ち果てた後は、その跡に目印の石を祀り、花立てとお供え用の皿を置き、我が家の墓参りの都度、ついでにシキビをお供えするだけになっている。


彼にそれを伝えるのは残酷だと思ったが、
「これがお墓です」
と指さした。


彼は、
「ありがとうございました」
と言って、菊の花を捧げてお参りしていた。


「5月頃には伯叔母と一緒にお参りに来ようと思います」
と聞きながら別れた。


目印の石しかない墓を…彼はどんな思いで拝んだのだろうか。

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コメント

最近、「ヤブ山日記」を読み始めたものです。このお話は、田舎から都会へ出てきたものにとって胸にグサッと来るものがありました。また、小説か演劇にでもなりそうなお話ですね。一度に何本もまとめて読んだので、このお話のタイトルも作成日も記憶していませんでした。もう一度、精読しようと2018年1月から再読を始め、やっと発見しました。嬉しくてついコメントを書き込んでしまいました。

▼ヤブ山日記ファン どの
こんな日記のファンですか?
ありがとうございます。驚きました。
さて、ヤブ山ヒストリーの続きですが、結局、その後再訪者はありませんでした。
その後も草刈りをするたびに一抹の寂しさを覚えます。
ヤブ山日記も気合を入れて書かなければなりませんが、盆になったらまた勾留されます。
今度は勾留中でも更新するつもりです。

ヤブ山さま
返信ありがとうございました。後日譚も知りたかったのですが、伯母さん・叔母さんと一緒の訪問はなかったのですね。墓参りだけでヤブ山邸へ挨拶なしで帰ることは考えられないので、やはり来なかったのでしょう。「ヤブ山ヒストリー」を読んで、自分が死んだら散骨と決めていたのですが、再考しようかと思っています。子孫が先祖の墓を探し回ることを想像したら少し躊躇します。「ヤブ山日記」は、ウェブサイト「柿木あれこれ」を検索したら出てきたので読んでみました。いろいろ幅広く活動をされているので、読みふけってしまいました。自分のことより他人のことが気になる、もの好きなんです。ヤブ山さんよりかなり年長のお爺さんですが、外見は髪もあってまあまあです(笑)。ご自愛ください。

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