雑草が一気に伸び始めた。
見なかったことにして、土曜日は夏野菜の植え付け。
ナス、ピーマン、トマト、シシトウ、オクラの苗を植えた。
鬼嫁からは、
「全部一本づつでいい!」
ときつく言われているが、やっぱり二本買ってしまう。
昔からの畑は、先だって亡くなられたHさんから返された3畝が増えたので、開墾畑は放置。
この冬は何が何でも杉を倒すつもりなので、
「何も植えないのが賢明である」
と自分に言い聞かせる。
日曜日の午前中は金毘羅社の草刈り。
世話人も高齢化が進んでいるので、草刈り部隊は、ボクと下のTさん、裏山のKさんだ。
お互い勝手を知っているので、役割分担しなくても作業がはかどる。
草刈り機を担いで家まで下りたが、巨木の森の斜面の雑草が目に付き始めたので、安全靴に履き替えて斜面に取り付いて草刈り機を振り回す。
切り株が多いので、チップソーだとキックバックの恐れがあるし、この時期はまだ草もやわらかいので、ナイロンカッターの方が効率的だ。
ビールを飲みながら午後の段取りを考えた。
畑が2畝残っているが、まもなくジャガイモとタマネギの収穫を迎える。
これが4畝ある。
倉庫をあさると、春大根とホウレンソウの種が残っていた。
去年の残りなので発芽するかどうか分からないが、とりあえず1畝分播いてみた。
隣のタマネギの晩生の色が悪い。
今年は再び2年前の悪夢…「べと病」が発生している。
極早生はだいぶ前に収穫を終えているのだが、晩生はもう少し先だ。
でもこれだけべと病が頻発すると、露地栽培は早生系でないと無理かもしれない。
通勤時に近所の畑を見てもみんな色目が悪い。
時計を見るとまだ4時。
黄砂の影響で泥んこになった車を洗うことにした。
洗い終えて、玄関にキーを戻しに行ったら、鬼嫁が、
「わたしの車はどうするの?」
という言葉が響いた。
「私の車もお願いね」
と頼むのであれば可愛げがあるが、絶対にそんなことは言わない。
「どうするの?」
という言葉は…「洗いなさい」と同義語である。
しかも、「飲んで帰るたびに駅まで迎えに行く私に感謝をし、その証として車を洗いなさい」
というハラスメントも含まれているのだ。
洗い終えて休んでいると、今度は、
「アスパラが生えだしたけど、細いのばっかりなのよね」
と独り言のような命令が発せられた。
化学肥料とジョウロを抱えて再び畑へ行く。
アスパラはとにかく肥料が大事らしい。
肥料を播いているとさっき植えた夏野菜の畝が乾き始めていた。
離れの納屋には稲わらを保管している。
昨年末に兄が亡くなったので、しめ縄用の稲わらが残っているのだ。
数束抱えてマルチを施した。
「もうこれでおしまい!」
と意気込んで家に戻ったら、
「お風呂はまだ沸いていません」
冷蔵庫からソーダ水と氷を出して、ハイボールをつくりかけたその時、音楽とともに、
「もうすぐお風呂が沸きます」
という無情の声。
給湯器の声も鬼嫁の口調とそっくりに聞こえるようになった。
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